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佐々木 明; 西原 功修*; 砂原 淳*; 西川 亘*
Proceedings of SPIE, Vol.9776, p.97762C_1 - 97762C_6, 2016/03
被引用回数:1 パーセンタイル:52.91(Optics)レーザープラズマ(LPP)極端紫外(EUV)光源の性能向上のために、プリパルス照射による微粒子の生成とその時間発展を扱う流体シミュレーションモデルの研究を行っている。初期に液体のSnターゲットがレーザーで加熱され、溶融、蒸発する過程について、気泡やクラスタの挙動を扱うため、メッシュ再配置のアルゴリズムおよび相転移モデルについての研究開発を行い、それをEUV光源ターゲットのダイナミクスの解析に応用した結果を報告する。
佐々木 明; 西村 博明*; 大西 直文*
プラズマ・核融合学会誌, 91(2), p.166 - 167, 2015/02
2014年9月にオーストリア、ウィーンで開催されたThe 16th International Workshop on Radiative Properties of Hot Dense Matter会議の参加報告で、会議において議論された、高温、高密度プラズマ中の原子過程、輻射輸送の研究の現状、今後の課題について議論した。米国リバモア研究所におけるNIF(National Ignition Facility)の現状、XFELを用いた実験などのトピックスについて紹介した。また、衝突輻射モデル計算コード比較ワークショップなどの分野の研究者の活動について紹介した。
佐々木 明
原子力・量子・核融合事典,1, p.108 - 109, 2014/12
原子力・量子・核融合事典の2章、高エネルギー物理・レーザー核融合の一部として、レーザープラズマX線レーザーについて紹介した。高温プラズマ中で生成するAg等の金属のNi様イオンを媒質とする、過渡的電子衝突励起X線レーザーを主な対象として、プラズマX線レーザーの原理、レーザー発振の実際の実現方法、発振が得られている波長や出力エネルギー、ビームのコヒーレンスなどの研究の成果を述べるとともに、短波長, 高出力化に向けた課題や、将来の応用可能性について議論した。
大図 章; 舘 義昭; 有田 裕二*
レーザー研究, 42(12), p.913 - 917, 2014/12
マイナーアクチニドを含む金属核燃料の合金製造時でのるつぼ内の合金溶融表面及びその表面からの蒸発物質のその場元素組成分析を目的として、レーザー誘起ブレークダウン分光分析法を合金製造過程に適用した。ジルコニウム, 銅, サマリウム、及びセリウムを模擬金属として使用した試験では、るつぼ温度に依存して溶融合金表面の元素組成が変動することが観測された。また、るつぼ温度の上昇に従ってるつぼ表面からの蒸発物質の元素組成をも同時に測定することができた。これらの適用試験により、レーザー誘起ブレークダウン分光分析法が合金製造過程の組成調査やるつぼ内の合金の挙動の解明に役立つことが示された。
藤岡 慎介*; 西村 博明*; 西原 功修*; 佐々木 明; 砂原 淳*; 奥野 智晴*; 上田 修義*; 安藤 強史*; Tao, Y.*; 島田 義則*; et al.
Physical Review Letters, 95(23), p.235004_1 - 235004_4, 2005/12
被引用回数:147 パーセンタイル:95.58(Physics, Multidisciplinary)レーザー生成スズプラズマからの極端紫外(EUV)発光へのオパシティの効果を実験的に解析した。X線放射によって電子温度30-40eVの均一なスズプラズマを生成することにより、EUV波長域(10-20nm)におけるオパシティを初めて測定した。測定されたオパシティは理論計算とほぼ一致した。理論計算で求めたオパシティを用いた輻射流体シミュレーションと実験の比較の結果は、EUV光源としての効率を高めるためには、13.5nm領域でプラズマの光学的厚みが1程度以上になることが必要だが、反面オパシティが大きすぎると吸収の効果によって効率が低下することを示し、オパシティの制御が重要なことを示す。
島田 義則*; 西村 博明*; 中井 光男*; 橋本 和久*; 山浦 道照*; Tao, Y.*; 重森 啓介*; 奥野 智晴*; 西原 功修*; 河村 徹*; et al.
Applied Physics Letters, 86(5), p.051501_1 - 051501_3, 2005/01
被引用回数:113 パーセンタイル:94.26(Physics, Applied)EUV光源として用いられるSnプラズマの基本的な輻射流体力学的な特性を明らかにするために、阪大レーザー研の激光XII号レーザーで球状のSnターゲットを照射し、生成したプラズマからのEUV光のスペクトル,発光強度分布,波長13.5nm領域の2%帯域中の発光強度とその時間変化,変換効率の測定を行った。照射強度510W/cmにおいて最大効率3%が得られた。変換効率のレーザー強度依存性を等温膨張プラズマを仮定した理論モデルと比較した。
佐々木 明; 西原 功修*; 村上 匡且*; 小池 文博*; 香川 貴司*; 西川 亘*; 藤間 一美*; 河村 徹*; 古河 裕之*
Applied Physics Letters, 85(24), p.5857 - 5859, 2004/12
被引用回数:43 パーセンタイル:80.02(Physics, Applied)EUV光源として考えられているXeプラズマからの発光スペクトルにおいて4-4共鳴線の長波長側に幅の広いテール構造(red wing構造)が生成する機構を理論的に解析し、8価12価程度のXeのイオンの4-4, 4-4, 4-5サテライト線の寄与を明らかにした。高密度プラズマからの発光では、共鳴線の光学的厚さが増すにつれてサテライト線の強度が相対的に増加し、13.5nm帯の発光が増加することがわかった。プラズマXeイオンの原子モデルが明らかになり、それをもとに輻射輸送係数を計算し、プラズマの輻射流体力学的特性のシミュレーションによる解析が行えるようになった。
佐々木 明; 内海 隆行*; 森林 健悟; Zhidkov, A. G.; 加道 雅孝; 田中 桃子; 長谷川 登; 河内 哲哉
Journal de Physique, IV, 11(Pr2), p.Pr2_75 - Pr2_78, 2001/07
現在70~350Åの波長域でレーザー発振が得られている過渡利得型電子衝突励起X線レーザーの理論的・実験的解析を行っている。われわれはプラズマ流体コードと組み合わせて媒質プラズマの特性、イオン比やX線レーザー利得を求めるため、HULLACコードの原子データを用いた原子過程コードを開発した。そして、プリ・メインパルスの強度、パルス幅の種々の励起条件の検討を行った。メインパルスは強度が大きい程電離や励起に有利であるが、パルス幅の下限は電離に要する時間で制限される。高強度のプリパルスを用いあらかじめNi様イオンを生成することは利得の生成に有利であり、特に薄膜ターゲットを用いると電離が効率的に起こることと膨張がより速く再結合が抑制される利点をもつ可能性がある。これらをもとに最適な励起条件について議論する。
佐々木 明
プラズマ・核融合学会誌, 77(2), p.146 - 152, 2001/02
レーザー生成プラズマを媒質として用いるX線レーザーの動作機構について、理論と計算機シミュレーションの見地から議論する。媒質プラズマの流体力学的特性、原子物理・原子過程をモデル化し、それを数値的に解析するためのシミュレーション手法を示す。短パルス高強度レーザー励起の場合に、粒子法によるシミュレーションが重要になる可能性を示す。プラズマの温度、密度条件を見積もる方法及び、波長100領域でのX線レーザーから得られる発振出力、それを励起するために必要なエネルギーの見積もりを示す。
Zhidkov, A. G.; 佐々木 明
Physics of Plasmas, 7(5), p.1341 - 1344, 2000/05
被引用回数:33 パーセンタイル:69.51(Physics, Fluids & Plasmas)超短パルス高強度レーザーで薄膜ターゲットを照射すると、前方と後方に高エネルギーイオンが放出される。従来は、高強度レーザー照射によって薄膜は瞬間的に高温度に加熱され、瞬時に全体が完全電離状態になると考えられていた。しかし、電子衝突電離には数ps以上の時間を要し、光電界電離(OFI)は薄膜の表面から表皮厚さ以内のごく薄い領域にしか作用しない。われわれは原子過程を含むPICコードを用いて、高強度レーザー照射によって生成した高速電子が薄膜の裏面に強い静電界を作り、その大きさはレーザー光の電界と同程度になって媒質ので電離を引き起こすことを明らかにした。加速されるイオンのエネルギーは価数に比例することから、プラズマ電界電離(PFI)が薄膜から前方に放出されるイオンの特性を支配することがわかった。
Zhidkov, A. G.; 佐々木 明; 田島 俊樹*
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.931 - 934, 2000/02
被引用回数:9 パーセンタイル:52.82(Instruments & Instrumentation)短パルスレーザー照射薄膜のMeVエネルギーの領域のイオン源としての有用性をシミュレーションにより明らかにした。衝突過程を含み、原子過程を組み込んだPICコードを用いた解析により、斜め入射、強度10W/cm、1psのレーザーで薄膜を照射すると、レーザー光が共鳴吸収で効率的に吸収されるとともに、OFIや衝突電離による多価イオンの生成と、表面に生成する強い加速電界に駆動されたプラズマの高速な膨張が起こり、イオンが加速されることを明らかにした。イオンの最高エネルギーは高速電子のエネルギーと価数の積で決まり1MeV以上である。本方式は、イオン加速器や、テーブルトップサイズの装置で核物理実験を行うためのイオン源として有用と考えられる。フェムト秒レーザーで照射された固体ターゲットから放出される高速イオンのスペクトルの解析を行った結果についても議論する。
佐々木 明
レーザー研究, 27(6), p.430 - 434, 1999/06
第8回高温、高密度プラズマの輻射過程国際ワークショップにおいて議論された、レーザー生成プラズマ、放電プラズマ等の中の原子過程、輻射輸送の理論、シミュレーション、実験の話題について報告する。現在米国、欧州では、X線レーザーをはじめとする光量子研究、核融合プラズマ研究で、実験研究の結果の診断、解析、実験条件の設計、最適化に用いられるより精度の高い原子過程シミュレーションコードの開発が進められて、各研究グループのコードによるプラズマのポピュレーション・スペクトルの結果の相互比較、この目的のために特別に設計した実験と比較し検証するプロジェクトが進められている。原子モデルの構築に必要な多種の原子データを計算する手法や、短パルスレーザー照射で固体密度のプラズマを生成してその中の原子過程を測定する試みが多く報告された。
佐々木 明; 米田 仁紀*
プラズマ・核融合学会誌, 75(5), 507 Pages, 1999/05
プラズマX線レーザーの発振を達成するには、ピコ秒オーダーの短時間にプラズマ中に利得生成に適した温度、密度状態を作り出す必要がある。この条件の解明のため、2次元プラズマ流体コードと原子過程ポストプロセッサを組合せシミュレーションコードを開発し、このようなコードから出力される大容量のデータを解析するための可視化、動画像作成技術について検討した。市販のデータ解析ソフトでは扱えるデータ書式や出力表示方法に制約があることから独自プログラムを開発した。ウィンドウ環境では複雑な多くのデータ処理が必要になる問題点を解決して可視化プログラムを開発し、Al Balmer-線を用いる再結合レーザー(波長=39の特性を調べ、より高い軟X線利得を得るターゲット条件を明らかにした。
佐々木 明; 内海 隆行*; 田島 俊樹*; 宅間 宏*
Computational Fluid Dynamics Journal, 8(1), p.142 - 148, 1999/04
X線レーザーの短波長、高効率化のためには、高温・高密度の媒質プラズマの最適化が必要である。われわれは1次元流体シミュレーションと簡易原子過程コードとを組合せ、利得媒質となるNi様イオンを効率的に生成するために薄膜ターゲットを短パルスレーザーで照射する過渡的励起法が有効なことを明らかにした。しかし、プラズマ中に発生するX線利得の空間分布の時間発展を求め、X線レーザーの出力、パターン、コヒーレントを求めるには原子過程を含む2次元流体シミュレーションが不可欠となる。そこで、われわれはCIP法を用い、高温プラズマ中の非線形熱伝導を含む2次元プラズマ流体コードをIntel Paragon上でMPIライブラリを用いて並列化し、784PEを用い490倍の加速率を得た。さらに薄膜ターゲットから生成するプラズマの2次元的膨張の解析に応用した。
佐々木 明; 内海 隆行*; 森林 健悟*; 田島 俊樹*; 宅間 宏*
レーザー研究, 27(3), p.185 - 189, 1999/03
薄膜ターゲットを短パルスレーザーで励起することによって、電子衝突励起X線レーザーの高効率動作を得る条件を検討した。しゃへい水素モデルに基づく原子過程モデルを、Ar様からPd様イオンまでのレベル構造を再現するように改良し、プラズマの温度、密度の時間変化に対する価数の変化を計算するコードを開発した。ダブルパルスの超短パルスレーザーによる励起方法に注目し計算を行ったところ、第1の短パルスレーザーで薄膜ターゲットをプラズマ化すると、ターゲット内部への熱伝導などの損失が少なく、効率よくNi様イオンを生成できることがわかった。このプラズマを第2の短パルスレーザーで照射することにより、過渡的に高利得を発生できると期待される。
河内 哲哉; 藤川 知栄美*; 安藤 剛三*; 原 民夫*; 青柳 克信*
Inst. Phys. Conf. Ser., (159), p.211 - 214, 1999/00
最近の高強度レーザーの発達により高密度プラズマ中に多価イオンを生成することが容易になってきた。プラズマ中の多価イオンは軟X線レーザーなどの媒質として重要であり、その発光機構を十分に理解することは、軟X線レーザーの高効率化や、新しいスキームの発見に重要である。近年、筆者達は、再結合プラズマ軟X線レーザーにおいてイオンの励起状態生成に、イオンの二電子励起状態が重要な役割をすることを提唱し、その過程を取り入れたモデル計算により、Li様Alプラズマの実験で得られた軟X線レーザー線の利得係数を説明した。しかしながら、利得係数はイオンの励起状態占有密度の差に比例する量であり、直接励起状態占有密度を実験で測り、計算と比較することが望まれる。今回Li様Al再結合プラズマにおいて、励起状態占有密度を直接測定し、モデル計算との比較を行ったのでその報告をする。
佐々木 明
Journal of Quantitative Spectroscopy & Radiative Transfer, 58(4-6), p.879 - 885, 1997/00
被引用回数:1 パーセンタイル:10.37(Optics)超短パルスレーザー励起X線レーザーの簡易流体シミュレーションコード及び、原子過程シミュレーションコードの開発を行った。予備生成プログラムを追加熱する方法で電子衝突励起Ni様Taレーザーの利得を発生する条件を調べた。その結果、Taイオンを電離、励起するためにプラズマの温度は1.5~3keV以上が必要なこと、レーザー発振に必要な利得を得て、かつ下準位のラディエーショントラッピングをさける為にイオン密度は10/cmの範囲内になされなければならないことが判明した。この条件を満足するために、微小なTaシリンダーの内壁をレーザーで照射し、発生したプラズマがシリンダーを満たした時点で超短パルスレーザーを照射する方式の可能性、必要な励起エネルギーを定性的に評価した。
佐々木 明
no journal, ,
リソグラフィ用レーザープラズマEUV光源の高出力、高効率化のために、ダブルパルス励起法が有効であることが実験的に示されている。比較的低強度のプリパルスレーザーでSnドロップレットを照射すると、ミストが生成し、これをメインパルスレーザーで加熱すると発光に適した低密度の均一なプラズマが生成されると考えられ、ミストの生成過程を理解し最適化することが必要と考えられている。本発表では、2次元ラグランジ流体シミュレーションにおいて、セルの任意の分割、融合操作を取り入れることで、Snターゲットが加熱され蒸発する過程で、気相のバブル、液相のクラスタを生成する過程を再現することを試みた結果を報告する。
佐々木 明
no journal, ,
リソグラフィ用EUV光源の高出力、高効率化のための、原子過程・輻射流体力学のモデリングとシミュレーションについて述べる。最近実験研究が行われている、プリパルスレーザーでSn液滴を分散する方法について、自己組織化ラグランジメッシュを用いる2次元流体シミュレーションにおいて、セルの分割、融合および、物理量の再配分によって、レーザーで加熱された液体Snが蒸発したり、いったん気化したSnが凝結して粒子生成する過程の解析を行っている。非構造格子を用いた流体シミュレーションの精度の向上、液相および気相Snの状態方程式についても議論する。
松井 隆太郎; 福田 祐仁; 金崎 真聡; 榊 泰直; 岩田 夏弥*; 近藤 公伯; 岸本 泰明*
no journal, ,
クラスター媒質(クラスターと背景ガスで構成)と高強度レーザーとの相互作用によるイオン加速実験において、背景ガスイオンが加速されていることを示す実験結果が得られた。本研究では、この実験を模擬した2次元PICコードシミュレーションを行い、背景ガスイオンの加速メカニズムについて調べた。その結果、背景ガスイオンがクラスターのクーロン爆発電場により圧縮を受けて加速されることを見出した。また、イオンが、相対論効果による非等方なクーロン爆発電場を受けて、レーザー進行方向に加速されていることを示唆する結果も得られた。